中国の熱心なペル2ファンである嵇言さん(@JiYan_1215)から、色々と興味深いお話を聞くことができたので、ご本人の許可を得た上でシェアします。
嵇言さん、ありがとうございます!
※読みやすいように多少文章を編集してあります。
嵇言さん:うららが「パオフゥと呼ぶのは面倒だからパオと呼ぶ」と言っていたところも印象的で、本当に可愛かったです(笑)
中国語で「bao」は「抱(hug)」と同じ発音だからです。パオフゥのことを呼ぶとき「抱きしめて」って言っているみたいに聞こえますね。あくまで私の妄想だけど。
naq:それ、めちゃくちゃ萌えますね(笑)「パオ」は日本語だと象の鳴き声を表す擬音語なので、かわいくてお茶目なイメージが強いですね。モンゴルで使われるテントのパオ(包)も連想するかも。
嵇言さん:象の鳴き声www本当にかわいいです。パオフゥの普段のイメージと合わなくて、萌えすぎたような気がします。
ゲルの日本語は知っています。Googleで日本語で検索していると、よく見かけるからです。ただ、中国語では、「包」と「報」は発音がまったく違う。だから普段は連想しない。
naq:パオも可愛いですし、うららという名前の響きも可愛いんですよねー。
naq:もしかして、嵇言さんが(やり取りの中で)「Ulala」ではなく「Urara」と表記しているのは、日本語を尊重して下さっているからなんでしょうか? だとすると、とても嬉しいです!
私も普段は、日本国内で発売された関連書籍やグッズに記載されている「Urara」表記を使っているのですが、海外の方とやり取りする時は「Ulala」にしていました。
嵇言さん:うららの名前は、中国語では「麗」と訳されていますが、美しいしかわいいと思います。
日本語ではuraraと書くべきだと思っていたのですが、英語版のゲームでも、金子一馬さんの画集でもulalaと書かれていて、ずっと戸惑っていました。日本語の「ra」は「la」と読みますが、「ra」と書くべきではないでしょうか。私はいつも「urara」と書きました。
naq:日本語でもうららを漢字にすると「麗」ですね。ローマ字表記の場合、最もメジャーな日本語の表記法であるヘボン式に則るなら、もちろん「ra」が正しいです。
昔の刊行物は、誤植で「la」になっているものもありそうですね(パオフゥの表記が「Paofu(笑)」になっていたり、サブタイトルが「ETERNITY(笑) PUNISHMENT」になっていたりと、いい加減なものも多いですしね)
今後は、欧米のユーザーに寄せて、「la」に統一する風潮になって行くのかも(公式ツイッターの誕生日祝いイラストも「Ulala」でした)
嵇言さん:出版物の印刷の件、そう感じます。いろいろな書き方が混在しているのをよく見かけます。でも、私は日本語寄りの書き方をしています。
国際版なら仕方がない。英語の方が利用者が多いので、公式のやり方は理解できます。
naq:英語圏のファンの多さはすごいですよね。それはとっても喜ばしいことです。
私も英語表記寄りにするか悩んだこともありますが、嵇言さんのように日本語を尊重して下さる方もいるので、自信をもってヘボン式表記を貫いていきたいと思います!
naq:クラブゾディアックで、主人公である舞耶より先にうららの名前を呼ぶのはすごく印象的でしたが、海外版でも同じなのか気になります。
嵇言さん:海外版ではなく、日本語版で遊んでいます。残念ながら、persona2の中国語版はリリースされていません。
英語の翻訳は好きではありません。中国語も日本語も繊細な言葉ですから。英語版では多くのセリフをぶっきらぼうに訳している。だから途中で英語版をやめて、日本語版をやりました。
naq:海外版ではなく日本語版をプレイされていたとは、驚きです! 中国語版がないのは残念ですね。
たしかに、英語版は私も疑問に思う部分がありました。パオフゥが中国語を喋るシーンでも、実際に簡体字を使わず「(In Chinese)」で適当に済ませているみたいですね。プレイヤーに「中国語喋った! そういや台湾人だっけ」「何言ってるか分からないけどカッコいい」と印象付けるシーンなので、ちゃんと中国語で書くべきだと思っています。
嵇言さん:英語版には多くの不満があります。多くのセリフが日本語とかけ離れている。そして私はその中の悪口のせりふが大嫌いです。日本語と中国語は、英語のように相手を罵倒することはありません。皮肉や陰口が多い。しかし、英語の言葉は、まるで悪口を言っているような感じがする。日本語の微妙な感情も、英語では曖昧に訳されている。どうしても英語版を受け入れることができません。
naq:どうしても英語では表現できない微妙なニュアンスは仕方ないですが、むやみに罵倒するのはキャラクターのイメージを損ねるので良くないですね。
naq:日本語版のパオフゥの中国語って、なんとなく拙いように思えるんですが(里見さんごめんなさい)、本場の方からはどのように見えているのでしょうか?
嵇言さん:パオフゥの中国語の方は、セリフが少ないということですか?
でもパオフゥは本当の中国人の前では、最初からばれていると思います。どう見ても日本人ですよね(笑)。報復と名づける中国人はいない。「Avenger」と名乗るなんて、まるで小学生みたい。なんて、これはただの冗談ですから、そんなに気にしないでくださいね。
naq:(名前について)「パオフゥ」をニックネームとして名乗っていても変ですか? たとえば、英語圏だと、ステレオタイプなハッカーキャラ・パソコンオタクキャラが自らギークと名乗ってるみたいなイメージですが。
(セリフについて)うーん、パオフゥの中国語のセリフが少ないのも気になりますが、いきなり「你坦白吧…我生气了(白状しな…俺は頭に来てるぜ)」と言ってマフィアを半殺しにして、パスワードを聞き出すシーンに違和感があります。短い文を繋ぎ合わせているので、すごく端的というか、ありあわせの語彙で文章を作った感じというか。なんか、急にキレてるし。「你的密码是什么? 认罪,否则我就杀了你(パスワードは何だ? 言わねえなら死んでもらうぜ)」などのセリフがあってから半殺しにする方が自然じゃないですか? すみません、私の勝手な考えです。
嵇言さん:(名前について)報復は中国語で動詞(verb)だからかな。名詞(noun)であれば変には聞こえません。「food」はコードネームにするかもしれませんが「eat」はコードネームにしませんこんな感じです(笑)。
(セリフについて)仰ること分かります、確かにセリフがもっと多ければ、もっと流暢になりますね。私も同じ考えです。
naq:(名前について)なるほど、動詞だから違和感があるということですね! めちゃくちゃ納得しました、ありがとうございます。