「殻の中の小鳥」調査レポ

release date:2022.02.27/last update:2022.02.28

芹沢うららの声優さんである金子哲子さん、出演作品が少なすぎて素性が謎に包まれている。
調べたことのある方はご存知だと思うけど、ペル2罰以外ではめちゃマイナーなアダルトOVAに出演されているという噂が。
ネット上の情報はあまりにも断片的で、「かなこてつこ」「金子のりこ」など読みもバラバラだし、どれが正しいのか? そのアダルトOVAに出てるのは本当にうららの声の人なのか? 気になりすぎて頭がおかしくなったので、実際にそのOVAを購入し、調査してみた。

う〜ん、もし演じてるのが同姓同名の別人だったら、なんの縁もゆかりもないアダルトアニメDVDを無駄に買ってしまったことになるなぁ…と懸念しつつ聞いてみたところ、たしかにうららの声の人だったので、とりあえずホッとしつつ、レポを書いてみる。

■殻の中の小鳥 作品詳細

PC98およびWindows95用ソフトとして1996年に発売された18禁美少女ゲームである「殻の中の小鳥」は、続編の「雛鳥の囀」とセットで1999年にWindows98でリメイクされ、同年にOVA化も行われた。
OVA版はT〜Xの5作があり、金子哲子さんはその全てに出演。ミュハ=レスレイ(美華 蓮麗)というメイド長的なキャラクターを演じている。
ストーリーはこのような感じ。※以下、Wikipedia「雛鳥の囀with殻の中の小鳥」のページより引用

舞台はヴィクトリア朝風のある街。元調教師「フォスター」は国賊として追われる身であった。そんなフォスターを鉄道王「ドレッド=バートン」は自身の屋敷へと招く。かつての事件の書類を手に入れたドレッドにフォスターは逆らえず、その屋敷で暮らしていた少女「クレア」を始め、街で出会った4人の少女たちをメイドという名の娼婦に養育させていく。

主役級のメイド4人以外、キャラデザは本編とは全然違って、OVA版のミュハさんはこんな感じのキャラ。

OVA版ミュハの絵ってインターネット上でこれ以外に存在するのか? パッケージにも載ってないし、なにげに第一号だったりして。
他のメイドと違ってなぜか胸の下の留めるやつが左右逆(何の意味が?)
そして出番は多くないのに外出用の服やバスローブなどで衣装バリエーションが4つぐらいある。

ちなみに、OVA最終章(X)の発売は2000/3/29で、罰が発売される少し前ぐらいに完結していることになる。続編である「雛鳥の囀」も前編・後編でOVA化されているけど、そっちにはミュハは出てこない。

■金子哲子さんの読み仮名について

私が購入したのはコンプリート版(T〜Xが1枚に収録されているやつ)なんだけど、その裏面の表記がこれ。

やはり「金子 のりこ」さんが正しいので、少なくともpixiv百科事典の かなこ「てつこ」表記(2022/2現在)は間違ってる。
苗字の読みが「かねこ」なのか?「かなこ」なのか? は、現時点ではソースが見当たらないので分からない。どっかに英語表記あったらいいんだけど、罰の関連書籍やCDのブックレットにも記載はなかったはず。ないからこそpixiv百科事典が間違ってるんだろうしなあ。
有識者による情報提供を求む。
※追記:改めて確認したら、PSP版の本編エンディングに記載されてた…灯台下暗しとはこのこと。「Noriko Kaneko」表記でした。pixiv百科事典さん間違いすぎぃ!!

(余談として、リメイク版のサントラのブックレットにはボーカルのクレジット自体がないんだけど、これって業界的にはアリなんだろうか)

■感想

ミュハはサブキャラ的な存在なので、登場シーンは少なめ。気になる部分以外は10秒ずつ飛ばしながらざっくり見たので、見落としがあったらごめんだけど、「…!」みたいな息を飲む表現も含めると、T〜Xの全編合算で40セリフぐらい。

ううーん、申し訳ないけど正直な感想を言うと、なんか…なんか…思ってたのと違ーう!
個人的な見解としては、うららの演技は自然に聞こえるんだよね。お茶目で可愛げがある等身大の女、そんでちょっぴりガラが悪い感じが良く出てて、どっちかっていうと上手い方かなあと。
「実はベテラン声優さんが別名義で演じてるとか…」なんて思ってたぐらい。マンボの歌唱力も申し分なかったし。
ところがミュハの方は、のっけから棒読みだし、なんだか滑舌も悪い感じ。いや、これはこれで味わいがあって、意外と純朴でウブな感じが好感持てるっていうか、じわじわ来るんだけど…キャラ的にそれでいいのか?
やっぱり、声優さんとしては当時駆け出しだったのかな?
しかし、時期的にはほぼ同じぐらいなのに、一体どうしてこんなに差が? 演技指導とかの違い? それとも現場で揉まれて(やらしい意味ではなく)成長した…ってコト!?

■本編みどころ

ストーリーのネタバレになるので、これから視聴される方は注意。

・ジョジョ1部みたいな始まり方
・メインヒロインのメイドが片膝立ちで花の水やりをして腿から尻まで水滴が垂れる(そんな奴おる?)
・メイド仲間の女が責める百合プレイもそこそこあり
・メイドが廊下で意識を失うと同時に「そうはならんやろ」って方向に倒れるメイドワゴン(自我持ってる?)
・じゃがいもの剥き方やべえ
・なんか女性向け同人誌以上にシナリオシーンのディテールが細かい、男達の商談とかメイド達の日常生活とか
・館の詳細を説明せずに身寄りのない女の子連れてきてサプライズで客を取らせる鬼畜男
・メイドものなのでエロシーンはほぼご奉仕系・拘束系・凌辱系
・舐め・吸い時や下向きになった時の乳房と乳首の形状および揺れにこだわりを感じる
・ミュハとドレッド(主人)のエロシーンは脱いでキスして暗転して終わり(なぜなのか)(喘ぎ声聞きたかった)
・急に画素数の低い馬車(笑)が画面に向かって爆走してきたので巻き戻してみたら画素数低いとかの次元じゃなくてそもそもドット絵
・おもてなし乱交青姦パーティーの真っ最中に急にBGMが壮大になり面白い
・敵が館に侵入してきて火の手が上がり低画質の幼女メイドが「火事よー」と走ってきてパーティーはお開きに
・館が燃え落ちるところもジョジョ1部
・主とともに燃え上がる館を涙を流しながら見つめ、いきなり乳丸出しにしてオナり始めるミュハ(笑撃のラスト)
・エンドロールはメインヒロインのクレアが一番上でその次がなぜかミュハ。パッケージと同じく、表記は「金子 のりこ」さん名義
・ED後パートにて、「みんなそれぞれの場所へ…」とか言いつつミュハだけ語られないのひどい

■ミュハの台詞について

「金子哲子さんのボイスを聞くために買ってみたいけど、実際どんなセリフがあるん?」という方に向け、研究目的での引用をしてみる。
あまり長すぎると引用ルールに反するため、一部のみ。

※以下、殻の中の小鳥 CompleteEdtion [DVD](監督:高山秀樹、DISCOVERY×Milky、2017)より引用

「遠いところからお越しいただいて、ありがとうございます…さあ」
これが初セリフ。
「メーア! それは貴女の仕事じゃないでしょ」
教育係として招かれたおっさんを味見している、調教係のメイドに向けて。
「申し訳ありません、私ごときが口を出すことではありませんでした」
主人のドレッドに秘書みたいに連れ添ってるけど、あくまでも一介のメイドっぽい。
「疲れが溜まっていただけ。彼女ずっと思い詰めていたから」
おっ、唯一うららにも使えそうなボイスだなこれはぁ(ただし汎用性はない)
「読みたい本があったら、いつでも貸して差し上げますよ」
ゲーム本編では性格がキツい部分があるらしいけど、OVA版では全然。メーアを怒ったの以外は常に優しい。
「私では…ファームさんの代わりに、ならないんですね」
「どうして、分かって下さらないのですか。私は、ドレッド様のことを…ドレッド様のことを、こんなに」
10代のメイド達に比べると若干とうが立っている口紅の濃いミュハ→→→→→年上男やもめのドレッド。
ちょっとだけ、うららとパオフゥっぽい。そうでもないか。おっぱいでかいし全然違うか。
「ドレッド様!!」
「ドレッド…ドレッド…!!」
例のとんでもねえラストのセリフ。呼び捨てになるのが趣深い。情事シーン見せてほしかった。

■総括

このゲーム自体を好きな人や、こういったストーリーのしっかりしたエロアニメが好みの人にとってはいい作品なんだろうと思う。
特定の声優さん目的で購入したんで、純粋な作品の楽しみ方じゃなくて申し訳ない。
噛んでるガムが味がしないので、小麦粉を流水の中で擦り合わせて作った代用ガムを試してみた。みたいな感じ。小麦粉、すまん。(突然の美味しんぼネタ)

まあでも、色々気になってたことが分かってスッキリした。
同じようにペル2ファンで気になってる人はDVD買ってみたらいいと思います。中古ならアホみたいに安いし。